短歌の目3月感想です11−20
短歌の目3月のご投稿作品、エントリ11−20の管理人の個人的感想です。
投稿作品一覧はこちらから。
photo by AlphaTangoBravo / Adam Baker
3月の題詠短歌10首および投稿作品ご紹介です - はてな題詠「短歌の目」
前回1−10はこちらからどうぞ。
短歌の目3月の感想です01−10 - はてな題詠「短歌の目」
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短歌詠ませてください(短歌の目 第1回) - たまには文章を書かせてください
10.信号
信号がま・た・た・く間に 君の手をつかんで午前0時へ飛びこむ
「ま・た・た・く」のスタッカートで信号の点滅を表しているのが秀逸だな!と思いました。
君の手をつかんで走るぼくがコマ送りのような映像で脳内再生されました。
4.ひとり言
ひとり言あなたはあまりしないから独立峰のような淋しさ
「あなた」の淋しさのたとえに「独立峰」という語句をもってきたところにやられました。
淋しくも孤高をあらしていて、短歌や詩歌においてだけ発揮される比喩の美しさだと思います。
私たぶん「独立峰のようだ」なんて隣でいわれたら恋に落ちちゃいますね。
13
短歌の目第1回 「3月は讃えよこんなにも生きる我を」 - nerumae
拙作です。後ほど別で語ります。
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短歌を詠んでみる ーはてな題詠「短歌の目」3月ー - 歌うおかあさん
林さんは初参加ですね。ありがとうございます。
詩作、歌唱もされていらっしゃる方で、なるほど初参加ながらしっかりとご自分の語彙というか文体、世界観をお持ちだなと感じました。
3のようにすぐに情景が浮かび「ああわかるな」というものから6のようにちょっと背景気になるな、という歌までありますが、
3. 夕
夕間暮れほどけて夜が満ちるとき我に返ればまだ人でなし
が特心に残りました。抽象的ですぐに意味はつかみにくい歌ですが、かといってわからなくはない感覚です。「逢魔が時」のような不穏さでしょうか。「まだ人でなし」の意味をどのように込めて詠まれたのかとても気になりますので、もしよろしければ振り返り・解説等いただけると嬉しいです。
10.信号
信号を宇宙(そら)に 届く日には そこにいるかもしれない私とかへ
んっ、にじ子さん、ちょっと考えすぎて自由律になってしまった感じでしょうか。
もともと言葉選びや世界観にご自分のものを持たれている方なので散文詩になっても5のように十分すてきな情景なのですが、せっかく短歌枠なので57577のリズムに今一度立ち返ってもらえると嬉しいです。
10.信号
赤になれと念じて車に乗ると、全部青信号になります
fktackさん今回はすべてお題を詠みこんでくださってありがとうございます。
と思ったら今度はリズムががが。かろうじて31文字なのがすげえな、8で前回の反復ボケをやらかしてたり9の音区切りだったりを見るとあながち全部天然というわけでもないのがツッコミづらいな、というのが率直な感想です。
その中でも10はfktackさんぽいな、本当にこの人こういうことできそう、と背筋が寒くなったので選びました。
次回は57577のリズムにあうように語彙を選択してみてくださいませ。
usauraraさんは初参加ですね。ご投稿ありがとうございます。短編小説 さばれもん - 片鱗カフェ楽しく拝読しました!
1.雛
まだ春も味噌も浅き汁なべに雛抱くように豆腐はこびぬ
文語の使い方の自然さと春、味噌、雛、豆腐がある情景がうららかでとても好きです。
それと、次回もご参加いただけるようでしたら上記のように番号、お題の語句も表記していただけるとありがたいです。
usauraraさんがお題からどんな風に着想して歌を詠まれたか、他のかたも楽しみやすくするためです。
あと私もお題の語句どれだっけと忘れちゃったりしますので…。
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第1回「短歌の目」 3月のお題 「信号が青になったら進みます。」 - ライティング・ハイ
10.信号
信号が青になったら進みます あなたが泳ぐ空の色です
真山さんも平易なことばと安定のリズムなのに他の人にもグっとわかる感情を喚起するのが上手だなあーと思って読ませてもらっております。
3や9も好きなんですけどやっぱり表題の、10の信号の青から空の青さに目線を上げさせたとこ、「あなたが泳ぐ」という開放感レットイットゴー感が好きです。
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3月題詠短歌、やややってみた - 感情迷子中のあんずです。
10.信号
磯の風 土草まじりじめる肌 信号のない君が住む街
あんずはん初参加ありがとうございます。
実は第0回のときにオフレコで1首見せてもらってるんですよ(ね?たしかね?)。
そのときから確実に上手になってます、お世辞抜きで。献立歌と過去をふりかえる歌のコントラストもいいですが、10の歌の感情を表すことばを一切入れてないのに、胸をつまらす感情が伝わってくるのが好きです。
1.雛
寝そべって孵ったばかりの翼竜の雛の皺を数えれば昼
3,7,9好きだし「春!」の「!」の使い方にもやられたしたぶん他の方からの引用スターもそちらに多くきらめいていること推測容易なのですが、いまださんのガジューの物語(方向変換しない - 日々我れ)を読んでしまった私としては1に惹かれてしまうのです。
下の句の「雛の皺を数えれば昼」のリズムも好きです。
あれ、気づけば信号と雛ばっかり選んでしまっている…?
「夕間暮れほどけて」「ま・た・た・く間」「独立峰」など、語彙の広がり世界の再構築を感じる歌、知っている人の新たな一面をのぞける歌があって楽しかったです!
次回は最後のエントリ21−33の歌の感想です。